相続税の申告・納税を終えても、これで一安心だ!とはまだ言えません。
何故なら相続税の税務調査が入る可能性があるからです。
令和4年中に亡くなった方は約157万人で、このうち相続税の課税対象になった方は約15.1万人です。
全体の10%弱の方が課税対象になっています。
相続人の推移・課税割合の推移・相続税学の推移をみると年々増加傾向にあります。
それでは税務調査はどのくらいの件数が行われているかというと、
令和4年度の実地調査及び簡易接触件数は23,200件になります。令和4年中の調査は令和3年以前の申告に対して行われているものですが調査件数も相続税の申告件数に合わせて増加傾向にあります。その調査割合は約5件に1件と言われています。
更に令和4年度の資料情報等から申告額が過少であると想定される事案や、申告義務があるにもかかわらず無申告であると想定される事案等について行われた実地調査8,196件に対して誤りを指摘された件数は7,036件で85.8%の割合で間違いを指摘されている事になります。
実地調査が入ると高確率で間違いを指摘されるという事です。
調査対象の選定基準
• 税務署は、相続人や被相続人の財産状況、申告内容などをもとに調査対象を選びます。
• 特に以下のような場合は調査対象になりやすいです。
• 高額な財産が存在する場合:不動産や株式、海外資産など、評価が難しい財産が含まれる場合。
• 生前贈与の有無:被相続人が亡くなる直前に大きな資産移動がある場合。
• 金融資産の動き:多額の預貯金の動きや名義預金が疑われる場合。
調査の重点ポイント
• 預貯金の動き:生前の預貯金の大きな出入りや、相続人名義の預金(名義預金)が被相続人によって管理されていた場合など、特に注目されます。
• 不動産の評価:相続税評価額が市場価格に対して不自然に低くなっている場合、詳細な評価が行われ、過少申告として指摘されることがあります。
• 生命保険の受取:非課税枠を超えた生命保険金や、契約者・受取人が適切に設定されているかの確認が行われます。
• 海外資産:国外にある財産も申告が必要で、申告漏れがないか厳しくチェックされます。
調査でよく見つかる申告漏れ・不備
• 名義預金:被相続人が子や孫名義で預金を管理している場合、相続財産に含まれるべきものと判断されることが多いです。
• 生前贈与:相続開始の3年以内に行われた贈与が申告されていない場合も、相続財産に加算されます。
• 未申告の資産:現金や不動産、株式、会員権など、申告が漏れている財産が見つかることがよくあります。
相続税の税務調査は、特に財産規模が大きい場合や不動産・名義預金が多く含まれる場合に実施されやすいです。正確な申告を行い、税務署からの指摘を受けないようにすることが、ご家族の負担を減らすためにも重要です。
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